加工・印刷

印刷版代とは?相場や印刷代との違いを徹底解説!

2021.03.30

初めて印刷加工を業者に依頼する場合、馴染みのない「版代」という料金が発生していることに驚くことでしょう。実は印刷加工を依頼すると、特定のケースを除いて「印刷代」とは別に「版代」が請求されます。一体「版代」とは何のことなのでしょうか?

 

本稿では「版代」について分かりやすく解説します。

 

版代とは?

「版代」とは、版の制作にかかる費用のことです。

 

オリジナル印刷を行う場合、まず版画(印刷する図柄)を作成しなければいけません。版画の作成には版が必要なため、版画を作成する場合は必ず「版代」が発生します。

 

版は金属製の円筒で1本1m前後の大きさです。どんな印刷加工を行うかによって必要となる版の数が変化するため、初めて依頼する図柄の場合は必ず版代を含めて見積もりをもらうことをおすすめします。

 

版下代との違い

版の制作にはデザインデータが必要です。このデータがなく業者にデザインを依頼する場合は版下代が必要になります。

 

「版代」に「版下代」は含まれていません。「版代」と「版下代」は全く別の費用であることを覚えておきましょう。

 

印刷代との違い

「版代」は版の制作にかかる費用、「印刷代」は印刷加工にかかる費用のことです。

 

例えるなら版代は「ハンコ自体の制作にかかる費用」で、印刷代は「ハンコに朱印をつけて紙に捺印する作業にかかる費用」です。

 

一般的な版代の仕組み

版代はどのような仕組みになっているのでしょうか。

 

色の数だけ版が必要

 

版画の制作には、印刷に必要な色の数だけ版が必要です。例えば以下のように必要な版の数と版代は変動します。

 

  • 赤一色のみの印刷の場合:版1本分の料金
  • 赤、黄、青の3色印刷の場合:版3本分の料金
  • フルカラー印刷の場合:版5本以上分の料金

 

したがって、印刷する色の数だけ版代が高くなります。

 

版は一定期間保管される

 

印刷会社にもよりますが、一度制作した版は一定期間保管されます。その保管期間内であれば再印刷を依頼しても「版代」が請求されることはありません。

 

例えば印刷業者Oの場合は、「最終印刷日から2年間」は版を保管してくれます。そのため、保管された版を使った印刷加工を依頼する場合は版代が一切かかりません。

 

ただし、最終印刷日から2年が経過すると版は処分されるため、2年以上経ってから「前の版で印刷加工をしたい」とお願いした場合は改めて版代が請求されます。

 

また経年劣化によって版が使えなくなってしまうケースもあります。5~10年程度は使えることがほとんどですが、そういったトラブルが発生する可能性もあることを覚えておきましょう。

 

版代の相場は?

注文内容によって大きく上下しますが、3,000~30,000円程度の場合が多いです。

 

印刷対象の面積が大きければ大きいほど版代は高くなります。たとえば、大きな段ボール箱の全面に印刷する場合は10万円を超えるケースもあります。

 

単純に計算できるものではないため、印刷加工の発注を検討している場合は業者に直接見積もり依頼を出すことをおすすめします。

 

版代に関するよくある質問

 

版代に関するよくある質問をまとめました。

 

Q.版代は注文時に毎回請求される?

 

A.多くの場合、版代が請求されるのは初回注文時のみです。

 

先ほどお伝えした通り、経年劣化などのトラブルが発生したり版の保存期間が過ぎてしまったりしなければリピート注文に限り版代は請求されません。

 

Q.デジタル印刷の場合も版代は請求される?

 

A.デジタル印刷の場合、版代は不要です。

 

デジタル印刷であれば製版と刷版を行う必要がないため、版代を請求されることはありません。コストを削減しながら比較的短納期で印刷できるため、昨今ではデジタル印刷が普及しています。

 

Q.版画の色を変更する場合は追加料金が発生する?

 

A.依頼する業者によりますが、一般的には追加料金が発生します。

 

先ほどお伝えした通り、版は印刷する色の数だけ必要です。そのため版画の色を変更する場合は新たな版が必要になるため、追加料金が発生するケースがほとんどです。

 

Q.印刷対象を変更する場合は追加料金が発生する?

 

A.依頼する業者によりますが、一般的には追加料金が発生します。

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この記事を書いた人

株式会社パケナビ代表 杉山

弊社では包装資材全般の設計・製造・販売を行っています。化粧品、食品、トイレタリー製品などのトータルパッケージング納品が強みで、提携の物流網を活用し費用対効果の合うご提案をいたします。

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