ダンボール

段ボールの中芯について詳しくなろう!選び分けについても紹介

2021.03.30

段ボールを選ぶときは、「中芯」についても注目することができます。

 

中芯の役割や種類、どのように使い分けることができるのかについて紹介します。

 

段ボールの中芯とは?

段ボールの中芯とは、段ボールの表面(ライナー)にはさまれた波状の紙のことです。

 

中芯の強度や波の数によって段ボールに違いが生じますので、段ボール箱に入れるものの重量や輸送方法に合わせて適した中芯を選ぶことができます。

 

また、中芯は常にライナーにはさまれているため、印刷適性は求められません。そのため、ライナーと比べると劣る紙質を選択することもあります。

 

段ボールの中芯の役割

段ボールは単に1枚の紙からできているのではなく、中芯を2枚のライナーではさむ3枚構造(段ボールによってはライナーが3枚以上、中芯が2つ以上のものもあります)になっています。

 

このように複雑な構造でできていることで、さまざまな効果や機能を果たすことができます。

 

  • 強度を高める
  • クッション性を生む
  • 手触りが柔らかくなる

 

強度を高める

 

段ボールに中芯があることで3枚以上の構造になり、1枚構造よりも強度が高まります。強度が強いタイプの中芯を選べば、さらに段ボールの強度を高めることができるでしょう。

 

もちろん、ライナーの強度も選べるので、強度が高いライナーを選ぶことで段ボール自体の強度を上げることも可能です。

 

また、ライナーと中芯の強度が同じでも、中芯の波が細かくある構造を選ぶことで強度を高めることもできます。

 

クッション性を生む

 

中芯があることで段ボールが空気を含む構造になり、クッション性が生まれます。そのため、1枚構造の紙でできた箱に入れるよりも中の商品が破損しにくくなります。

 

段ボールのクッション性を活かして、梱包材として使用されることもあります。

 

例えば、ガラスなどの割れやすい商品を購入する際に、段ボールシート(箱状ではなくシート上の段ボール)で包むことがあります。

 

手触りが柔らかくなる

 

中芯によりクッション性が生まれることで、手触りが柔らかくなります。

 

例えば紙箱を運ぶときには手が痛くなることがありますが、段ボール箱は箱自体にクッション性があるため、運ぶときに手に痛みを感じにくいというメリットがあります。

 

梱包材として段ボールを使用するときも、痛みを感じにくいという特性は大いに役立ちます。

 

商品に沿って段ボールを曲げたり包んだりするときも手に刺激を与えにくく、薄紙のように手を切るリスクも低いため、梱包作業が楽になります。

 

段ボールの中芯の種類

段ボールの中芯は、1平方メートルあたりの重量で分類することができます。通常は1平方メートルあたり120gと160g、180gの3種類のものを使用します。

 

重量は同じで強化剤を用いて強度を高めた中芯素材もあります。

 

よく使用されるのは強化180g(180g強化芯と呼ばれることもある)と強化200g(200g強化芯)の2種類で、重量が重いものや海外に輸送するものを入れる段ボール箱に使用されます。

 

中芯による段ボールの種類

中芯の段の高さと30cmあたりの段数で、段ボールをいくつかの種類に分けることができます。

 

それぞれの用途や特徴も紹介しますので、使い分けの参考にしてください。

 

Aフルート

 

段が高いためクッション性に優れているという特徴があります。

 

重量が重くなりがちなフルーツや紙などを入れることもあり、梱包材よりは外装箱として用いられています。

 

Aフルートは、最も一般的な段ボールです。

 

また、Aフルートで作成した段ボール箱を「ミカン箱」と呼ぶこともあります。

 

段ボールの種類 中芯の段の高さ 30cmあたりの段数
Aフルート 4.5~4.8mm 34±2

 

Bフルート

 

Bフルートは段数が多いため薄くても丈夫で、なおかつ平面圧力に強いため、内装箱に用いられることが多いです。

 

お菓子や衣類などの軽いものを入れる場合には、外装箱としても用いられます。

 

また、後述しますが、複数の段ボールを貼り合わせて強化段ボール(Wフルート)を作成する際にBフルートを用いられることが多いです。

 

薄くなおかつ丈夫というBフルートならではの特性を活かし、AフルートやCフルートと貼り合わせることでさらに丈夫な段ボールを作り上げます。

 

段ボールの種類 中芯の段の高さ 30cmあたりの段数
Bフルート 2.5~2.8mm 50±2

 

Cフルート

 

CフルートはAフルートよりも段が薄い分、軽量かつコンパクトです。

 

畳んで運ぶ場合もAフルートの段ボールよりも厚みが薄くなるため、一度にたくさん運べるというメリットがあります。

 

そのため、段ボールの使用量が多い大手メーカーでもよく使用されています。

 

Cフルートは海外ではもっとも用いられる段ボールです。使用する原料が少ないため、エコロジーの観点からもCフルートに切り替える日本企業も少なくありません。

 

今後ますます環境問題についての企業姿勢が問われます。エコロジーに対する意識の強さをアピールするためにも、Cフルートへの切り替えを検討できるでしょう。

 

段ボールの種類 中芯の段の高さ 30cmあたりの段数
Cフルート 3.5~3.8mm 40±2

 

Eフルート

 

Eフルートは薄く軽量でマイクロフルートとも呼ばれます。

 

平面に近いため印刷適性が高く、商品名や注意書きなどを通常の紙に印刷する感覚で表記できます。

 

Eフルートは、AフルートやCフルートと比べるとクッション性が低いため、外装箱として用いられることはあまりありません。

 

内装箱や個装箱としての用途が一般的ですが、梱包材としてガラス製品などを包むこともあります。通常の工作用のハサミでもカットできるので、商品に合わせて適当な大きさに切って使用できます。

 

また、「薄い」という特性に関してはBフルートとも共通する点がありますが、どちらかというと薄すぎるため、AフルートやCフルートなどの異なる段ボールと貼り合わせて強化段ボールをつくることも滅多にありません。

 

段ボールの種類 中芯の段の高さ 30cmあたりの段数
Eフルート 1.1~1.4mm 80以上

 

Wフルート

 

2つの段ボールを張り合わせて1枚構造にしたものを「Wフルート」と呼びます。

 

AフルートとBフルートの張り合わせや、BフルートとCフルートの張り合わせなどがあり、金属などの重量が重いものや海外輸送などに使用されます。

 

段ボールが二重になっていることで通常の段ボールよりも耐衝撃性が高く、丈夫で破損しにくいという特徴があります。

 

しかしWフルートでつくった段ボール箱は箱自体に重量があるため、輸送費がかさむというデメリットもあります。

 

そのため、重量がそこまで重いものでないものを国内輸送する際には、使用されることはあまりありません。

 

また、重量が重いため、納品先に搬送のためのフォークリフトなどの機械があることも求められます。

 

人間が直接手で段ボール箱を運ぶ小規模の倉庫や企業に商品を送る場合には、Wフルート以外の段ボールを用い、段ボール箱の内容量を減らすことで重いものでも運べるように工夫します。

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この記事を書いた人

株式会社パケナビ代表 杉山

弊社では包装資材全般の設計・製造・販売を行っています。化粧品、食品、トイレタリー製品などのトータルパッケージング納品が強みで、提携の物流網を活用し費用対効果の合うご提案をいたします。

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