2021.03.30
段ボールのライナーについて詳しくなろう!種類や素材、使い分けを解説
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段ボールの強度を計算する方法を紹介します。
段ボール箱に入れるものの重量を決めるとき、また、段ボールを積み重ねるときにご利用ください。
目次
段ボールは強度が高いものほど、また、段ボール箱は大きさが大きいものほど高額になります。
できれば重量に見合った最低限の強度の段ボール、最低限の大きさの段ボール箱を使用して、無駄なく梱包するようにしたいものです。
段ボールにどの程度のものを入れられるのかを計算する方法と、段ボールを何個まで積み重ねることができるのかを計算する方法を紹介します。
重量に見合った段ボールを選ぶ際、また、段ボール箱を積み重ねて保管・輸送する際の参考にしてください。
段ボールの強度は、「圧縮試験機」や「落下試験機」などの試験機を使って計算します。
利用するにはこれらの専門の試験機が必要ですが、わざわざ購入する必要はありません。
段ボールシートを製作している業者には圧縮試験機や落下試験機が置いていることが多いので、必要に応じて貸してもらいましょう。
使用方法が分からないときは、業者に試験機の使用ごと依頼することができるでしょう。
また、段ボールを製造している業者に強度を問い合わせることもできます。
圧縮試験機や落下試験機などの試験機を使用すれば、段ボールの種類を問わず強度を調べることが可能です。
専用の試験機がなくても、ケリカット計算(ケリカット計算方式)で計算することもできます。
しかし、ケリカット方式ではA式(A-1式。ミカン箱とも呼ばれる。上部と下部を梱包用テープなどで貼り合わせて箱型にするタイプの段ボール箱)でしか強度を計算できないというデメリットがあります。
例えば、ミカン箱以外の構造の段ボールや、ミカン箱の中に補強用の段ボールシートが入っている場合、箱内部の仕切りが蓋部分まで届いている場合にはケリカット方式を用いて強度を求めることはできません。
ケリカット方式には専門の強度試験機がなくても段ボールの強度を計算できるというメリットがありますが、ミカン箱以外の段ボールの強度は測れないというデメリットがあります。
もし、強度を調べたい段ボールがミカン箱タイプのときは、ぜひケリカット方式を使って段ボールの強度を測ってみましょう。
ケリカット方式の計算は複雑で手計算することは困難ですが、自動計算サイトを使えば簡単に強度を求めることができます。
次の4つの情報を準備してから、自動計算サイトで強度を測ってみてください。
ケリカット方式は複雑な計算式のため、計算するために必要な情報も多いです。
メジャーを使って正確に縦、横、高さを測り、cmで表記しておきましょう。
ケリカット方式で段ボールの強度を調べるためには、段ボールの表と裏それぞれのライナーの強度に関する情報も必要です。
表と裏をそれぞれリングクラッシュ値で測定した数値(Kgf)を表記しておきましょう。
なお、ライナーの強度に関しては、ライナーごとに決まっているので段ボール箱を購入した業者に問い合わせると教えてもらえます。
また、段ボール箱の梱包材に印刷されていることもあるのでチェックしてみてください。
段ボールの中芯(ライナーではさまれた波状の紙)の強度に関する情報も必要です。
ライナーと同じくリングクラッシュ値で測定した数値(Kgf)で表記しておきましょう。
中芯の強度も中芯ごとに決まっているため、段ボール箱を購入した業者に問い合わせると教えてもらえます。
段ボールの梱包材に印刷されていることもあるため、廃棄していない場合は確認してみましょう。
負荷係数とは、梱包や使用状況によって決められた段ボール箱への負荷の大きさを示す数値です。
以下の表を参照し、どれに該当するのか確認しておきましょう。例えば内容物を内装箱と外装箱で包み、吸湿の恐れのある倉庫で保管しているならば、負荷係数は3と判断できます。
なお、負荷係数が大きいと、積み上げ可能な段ボール箱の個数は減ります。
たくさん積み重ねて保管・輸送したい場合には、吸湿しにくい段ボールを選び、なおかつ吸湿しない場所に保管するようにしましょう。
吸湿しない | 吸湿の恐れあり | 吸湿する | |
外装容器のみ荷重を負担 | 4 | 5 | 7 |
外装・内装・内容物が荷重を負担 | 2 | 3 | 4 |
内装・内容物が荷重を負担 | 1 | 1 | 1 |
ケリカット方式で求めた耐圧強度値と、段ボール箱の重さ(中身の重さも含む)の2つの数値を使うと、段ボール箱を何段まで積載できるか以下の式で計算することができます。
小数点以下の数字が出た場合は、端数は切り捨てて整数だけで表示します。
例えば耐圧強度値が600kgで負荷係数が4、段ボール箱の重さが15kgならば600÷4÷15+1=11段まで積載可能です。
また、耐圧強度値が500kgで負荷係数が3、段ボール箱の重さが20kgの場合には500÷3÷20+1=9.33…となるため、9段まで積載可能と考えられます。
耐圧強度値などが分かれば、段ボール箱を何段まで積載できるかを簡単に計算することができます。
しかし、これはあくまでも理論上の上限値で、この段数までならば、積み重ねてももっとも下の段ボール箱がつぶれることはないという数字です。
そのため、実際には上記の計算によって求めた数値よりも数段低い段に積載することがおすすめです。
保管する期間が長くなりそうなときは、なおさら下段の段ボール箱には負担がかかるため、少なめの積載段数にすることができるでしょう。
また、積載段数を決める際には、荷台の高さや上げ下ろしの安全性にも配慮する必要があります。
トラック内に段ボール箱を積み重ねて輸送する場合には、荷台という狭い空間で積載作業を荷物の上げ下ろしをすることになるため、あまりにも高く積み上げることは好ましくありません。
段数はできるだけ低いほうが安全なので、無理のない範囲で決定するようにしましょう。
積載後にロープやシートで崩れないように補強することも大切です。
計算上の積載段数はあくまでも「平らな倉庫に積み重ねるとした場合」の数値です。トラックなどで輸送する場合は縦横に圧力がかかるため、段ボール箱はより不安定な状態となります。
目的地まで損傷なく荷物を運ぶためにも、多すぎない積載段数を選ぶようにしましょう。
もちろんあまりにも積載段数が少ないと、トラックで運べる箱数が少なくなり、輸送コストがかさみます。
倉庫に保管する場合も広大な場所を使用することになり、保管コストも高額になってしまいます。
安全性や輸送による負荷などにも配慮したうえで、コスト的にも無理のない範囲の積載段数を決定するようにしてください。
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