ダンボール

段ボールは強度で選ぶ!構造や強度を上げる方法を徹底解説!

2021.03.30

引越しや収納などで活躍する段ボールですが、実は一口に段ボールと言ってもさまざまな種類があり、それぞれに強度の違いがあることはご存知でしょうか?段ボールの構造を深く理解すれば、用途に応じて適切な段ボール選びが可能になります。

 

そこで本稿では段ボールの構造や強度を上げる方法を徹底的に解説します。

 

段ボールの構造とは?

一般的に段ボールは「①表ライナ」「②中しん」「③裏ライナ」の三層構造になっています。

 

————————– ← ①表ライナ

④フルート ^^^^^^^^^^^^^^^^^^  ← ②中しん / 波形ボール紙

————————– ← ③裏ライナ

 

「ライナ」というボール紙の間に、波形に成型した「中しん(波形ボール紙)」を挟み、糊で貼り合わせたものを「段ボール」と呼びます。

 

※「④フルート」については後述します。

 

段ボールの強度を決める要素とは?

段ボールの強度は「ライナ」と「フルート」の組み合わせで決まります。

 

ライナ

 

ライナは大きく2種類、厳密には5種類に分けられます。

 

「C」は古紙含有率90%以上で作られていますが、「K」は古紙とバージンパルプ(※1)で作られています。

 

※1:バージンパルプとは、木材を材料に新しく製造されたパルプのことです。なおパルプとは、紙を製造する際に必要となる繊維のことです。

 

種類 古紙含有率 重さ
(1㎡あたり)
説明
C5 90%以上 160~180g バッグや洋服などの軽量物の梱包に使用されます。その他にも仕切りやパットとして活用されることもあります。
C6 90%以上 160~180g 強度はC5のやや上位互換です。近年はC6の代わりにK5が利用されることが増えています。
K5 50%以上 170~180g 最も一般的な段ボールの規格です。表面への印刷も比較的容易なため、用途に応じて自由に装飾可能です。
K6 50%以上 210~220g 引越しなどで重たい荷物を梱包する場合に最適の規格です。段ボール箱の上に物を積み重ねても箱が潰れにくいため、段ボール箱内部に空洞があっても問題になりにくいです。
K7 50%以上 260~280g 一般的には使用されることのない規格です。輸出などで特殊形状または特殊重量の物を運送する際に使用されます。

 

フルート

 

フルートとは、ライナに挟まれた中しんの「厚さ」と「波型数(30cm内)」によって定められた規格のことです。

 

フルートは全部で7種類に分けられます。種類別にそれぞれ強度と用途が異なるので、段ボール選びでは非常に重要な要素です。

 

種類 厚さ 波型数
(30cm内)
説明
Aフルート 4.5〜4.8mm 32~36個 日本では最も一般的に使用されている規格です。
食品(青果用)の運搬や引越し時に使用されることが多いです。
Bフルート 2.5〜2.8mm 48~52個 軽い物や小さい物の梱包に適した規格です。
Aフルートより薄いため、切り込みを入れたり折り込んだりできます。
例えば、折り込んで精密機械などの「緩衝材」として活用したり、切り込みを入れて「POP」や「ディスプレイ」に活用したりできます。
Cフルート 3.5〜3.8mm 38~42個 世界で最も標準的な規格です。特に欧米を中心にCフルートが主流となっています。
Aフルートよりも約1mm薄いですが波数がその分多くなっているため、省スペースにもかかわらず強度はAフルートとほぼ変わりません。その上、印刷も綺麗に仕上がるようになっています。
Eフルート 1.10〜1.15mm 80個以上 ギフトボックスなどの外装箱によく利用される規格です。
厚紙のように見えますが、「中しん」がきちんと入っているため厚紙よりも丈夫にできています。そのうえ、AフルートやCフルートなどの規格では目立つ表面の段差が目立ちません。
Fフルート 0.60〜0.75mm 120個以上 メール便や封筒などで活用されている規格です。
波数が多く、中身が透けにくくなっています。
Gフルート 0.50〜0.55mm 180個以上 ディスプレイやパッケージなどに活用されている規格です。オフセット印刷機で直接印刷ができることが最大の特徴です。Gフルート以外の規格では印刷機に直接投入することができません。
Wフルート 8mm 2層段ボールや3層段ボールなどの特殊段ボールを除くと、最も厚みがあり強度の高い規格です。
構造はAフルートとBフルートを重ね合わせただけの至ってシンプルな作りになっています。主に重い荷物の搬送や輸出時に活用されています。

 

段ボールの強度を上げる方法

段ボールの強度を上げるために強度の高い段ボールを選べる状況であれば良いですが、手持ちの段ボールでなんとかしなければならないこともあるでしょう。そのようなときは、以下の方法で段ボールの強度を高めましょう。

 

タオルや新聞紙で空白を埋める

 

強度を高めるときに重要なのは「梱包する物のサイズに適した段ボール箱を選ぶ」ことです。

 

梱包物のよりも大きな段ボール箱に収納した場合、箱内に空洞ができてしまい段ボール箱の強度を大きく下げてしまいます。

 

このような場合は、空洞部分にタオルや新聞紙を詰めるようにしましょう。そうすることで段ボール箱自体の強度を高めることができる上に、振動で揺れても梱包物が損傷するリスクを大きく低減できます。

 

閉じ方を工夫する

 

段ボールの強度を上げる最も簡単な方法は「閉じ方を工夫する」ことです。

 

テープが見当たらないときに、クロス閉じ(テープを使わずに段ボール箱のフタ部分をクロスさせて閉じる方法)をしたことがある人は多いでしょう。

 

しかし、クロス閉じをすると底抜けしたり箱が潰れてしまったりするリスクが大きくなります。フタは必ずきちんと閉め、テープで閉じるようにしましょう。

 

なおテープの貼り方は以下のいずれかの字を書くようにすると良いでしょう。

 

  • 一の字
  • Hの字
  • 十の字
  • 米の字

 

強度が高い段ボールの活用例

高い強度の段ボールは様々なシーンで活用できます。これを機に覚えておくと、いざと言う時に役立つかも知れません。覚えておいて損はありません。

 

机や椅子などの家具として代用

 

強度が高い段ボールであれば、机や椅子などの家具として代用可能です。

 

実は、知られていないだけで棚や机などには段ボールを使用したものも多く、段ボール製のインスタント家具は世に広く出回っています。

 

引越し直後で家具がまだ届いていない場合や災害時など、家具はないけど段ボールがある状況であれば、段ボールを活用してインスタント家具にしてみてはいかがでしょうか。

 

災害時にパーティションとして代用

 

段ボールは災害時に非常に重用します。

 

例えばパーティションとして代用可能です。強度の高い段ボールであれば強風に耐えうることができるため、簡易更衣室や区画の仕切りに活用できます。

 

木箱として代用

 

これまで精密機械や中大型機械の搬送には強度を担保するために木箱が使用されていましたが、強度の高い段ボール箱であれば木箱として代用することも可能です。

 

木箱よりもコストパフォーマンスが高い上に、輸出入時に検疫を受けなくて済むため時短にも繋がります。

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この記事を書いた人

株式会社パケナビ代表 杉山

弊社では包装資材全般の設計・製造・販売を行っています。化粧品、食品、トイレタリー製品などのトータルパッケージング納品が強みで、提携の物流網を活用し費用対効果の合うご提案をいたします。

弊社では包装資材全般の設計・製造・販売を行っています。化粧品、食品、トイレタリー製品などのトータルパッケージング納品が強みで、提携の物流網を活用し費用対効果の合うご提案をいたします。

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