2021.03.30
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パッケージに用いる丈夫な紙のうち白色のものを「白板紙(しろいたがみ)」と呼びます。
白板紙とは何か、また、どのような種類があるのか詳しく解説します。
目次
板紙とは厚みがある紙のことです。厚みがあるため、垂直に立てても板のように自立します。
そのうち、白色のものを「白板紙(しろいたがみ)」と呼びます。印刷適性があり、なおかつ白いので、幅広い用途に使用されます。
パッケージ用の普通の紙(両面が白)は、使用原料全体の27%に古紙が使用されています。
一方、板紙では使用原料全体の87%に古紙が使用され、よりエコロジーな素材と言うことができるでしょう。パッケージとして使用される板紙には、白板紙も含め4つの種類があります。
「白板紙」とは、パッケージに用いる白色の板紙のことです。後述しますが、白板紙はさらに「白ボール」と「マニラボール」に区分けされます。
白板紙の原料は、表層の白い紙は晒(さらし)パルプが一般的です。また、中裏層は古紙パルプなどの再生素材が用いられています。
そのため、古紙含有率が高く、環境に配慮して製紙することが可能です。
なお、白板紙には「塗装品」と「非塗装品」があります。塗装品はコートとも呼ばれ、光沢があります。
高級感が出るだけでなく、インクが乗りやすくなるため印刷適性も高まります。
一方、非塗装品はノーコートとも呼ばれ、光沢がなくマットな質感です。高級感はあまりなく、印刷適性が少々劣り、インクがにじみやすく流れ落ちやすいという特徴があります。
「黄色板紙」とは、パッケージに用いる黄色の板紙のことです。「黄ボール」とも呼ばれます。
ところで、この黄色は塗料によるものではなく、藁(わら)が原料に含まれていることによる自然な着色です。
高級菓子などを入れることもある白板紙とは異なり、黄色板紙はカジュアルな用途にも使われます。
そのため、高級感を演出する塗装品はあまりなく、マットな質感の非塗装品がほとんどです。
両面がネズミ色の板紙を「チップボール」と呼びます。白
板紙や黄色板紙とは異なり表・裏・中層部分のいずれにも古紙を用いたネズミ色のため、古紙含有率が高く、よりカジュアルな印象です。
そのため、チップボールは、敷き紙にするなどの色など気にしない安価な用途に使われることが一般的です。
ただし古紙含有率が高いために密度が低く、表面にざらつきがあるので印刷適性が低いというデメリットがあります。
また、色が薄暗いので、はっきりと濃いインクの色を選ばないと文字が判別しにくい点にも注意が必要です。
商品名や注意書きなどを印刷する場合には、表が白色の「白板紙」か次に紹介する「色板紙」を選ぶほうが良いでしょう。
表に色をつけた板紙を「色板紙」と呼びます。クラフトボールや加工ボード、アートボールなどの種類があり、色だけでなく質感や用途も幅広く設定されています。
色の名に「ボール」をつけて呼ぶこともあります。例えば茶色の色板紙の場合は「茶ボール」、ねずみ色なら「ねずみボール」などと呼びます。
なお、ねずみボールとチップボールは別物です。ねずみボールは表側はバージンパルプ含有率が高いボール紙で、裏側と中層部分は古紙含有率が高い素材と、2つの種類を使い分けています。
一方、チップボールは表・裏・中層部分いずれもが古紙含有率の高い1つの素材でできています。
先述した通り、白板紙は「白ボール」と「マニラボール」の2つの種類に分けることができます。
また、マニラボールはさらに「高級白板紙」と「特殊白板紙」、「一般マニラボール」の3つに分けられるため、白板紙は合計4つの種類に分類できます。
白ボールは表層に「晒化学パルプ」または「上白系古紙」、中層は「中白系古紙」や「下級古紙」、裏層には再生古紙が使用された白板紙です。
塗装された白板紙は「コートボール」、非塗装品を「A白ボール」や「ノーコート白ボール」と呼んでいます。塗装品を「塗工品」、非塗装品を「非塗工品」と呼ぶこともあります。
白ボールは繊維製品・洗剤・文具・お酒・食品などを入れる箱の素材として幅広く使用されており、板紙全体の約2/3の使用量を占めます。
また、白ボールのほとんどがコートボールで、塗装されないA白ボールが使われるケースはあまり多くはありません。
白ボール以外の3つの白板紙(高級白板紙、特殊白板紙、一般マニラボール)を総称してマニラボールと呼びます。
マニラボールのマニラとは「マニラ麻」のことで、かつては強度を出すために繊維の長いマニラ麻を白板紙の原料として使用したことに由来します。
マニラボールをグレードが高い順に並べると、「高級白板紙」、「アイボリー高級白板紙」、「カード高級白板紙」となります。
高級白板紙は黄味の強いアイボリー高級白板紙より古紙含有率が低いです。
一方、アイボリー高級白板紙よりもグレードが劣るカード高級白板紙は、表紙と裏紙は晒化学パルプですが、中層部分には安価でボリュームのある脱墨古紙を用い、価格を抑えて厚みを持たせています。
なお、アイボリー高級白板紙もカード高級白板紙も、いずれも塗装の有無があり、コートのほうが高級感のある印象です。
「特殊白板上紙」はマニラボールの中で中程度のグレードです。特殊白板上紙は光沢塗装が片面に施され、安価で印刷しやすい白板紙です。
特殊白板上紙には蛍光塗料が含まれていないことが多く、食品用のパッケージなど、温度や湿度が変化しても安全性を確保する必要がある用途に用いられることも少なくありません。
もちろん、食品用のパッケージとして使用される際には、成分を分析し、溶出がなく食品衛生法で求められる基準をすべて満たしていることが確認されます。
食品などの高級パッケージ以外にも、同じく食品衛生法で求められる基準を順守している必要がある紙皿などの使い捨て食器にも使用されます。
また、印刷適性の高さから、出版物の表紙などに使用されることもあります。
表には晒化学パルプ、裏紙と中層部分には古紙や脱墨パルプが使用されている白板紙が「一般マニラボール」です。
マニラボールの中でも白板紙の中でももっともグレードが低く、食品やタバコなどの包装紙など、カジュアルな用途に使用されることが多いです。
一般マニラボールにも、表面が塗装された光沢品ものと、両面ともに塗装されていないマットな質感のものがあり、用途に応じて使い分けることができます。
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